妊婦棺桶 2000

 

死生観について考えたもの。妊婦はこの世への誕生を意味し棺桶はあ

 

の世への旅立ちを意味している。どちらも新たなる世界への出発点と

 

なる。古代の原始宗教や沖縄にある信仰にも見て取れるらしいがお墓

 

をこんもり盛り上げて妊婦のお腹に見立てるのはこういった死に対し

 

ての考え方から来るものらしい。悲しむものというより次のステージ

 

への出発として祝うべきものだということです。

 

また、このような似た形式で権力者の墓が世界中で発見され、輪廻や

 

復活といった信仰により、埋葬の仕方も胎内と同じように頭と足が上

 

下逆になるように埋葬された王もあった。死というものに物理的な面

 

と精神的な面と両面を含んでいる。見えないものと見えるものの関係。見えないけど生き続ける、あり続けるもの、肉体が失われても後世にとっ

 

て大切な知恵や精神性は未来へ歩き続ける事を頭に足をつける造形によって表現している。